公益財団法人ランナーズ財団は、以下の方々への第36回ランナーズ賞の授賞を決定しました。
ランナーズ賞は、市民ランニングの普及と発展に貢献してきた個人や団体、また、日々ランニングの新しい世界の発見に努めている人たちを称える賞であり、受賞者には正賞のトロフィーならびに副賞として賞金200万円を贈呈します。1988年の第1回ランナーズ賞以来、今回まで116の個人、団体がランナーズ賞を受賞しました。 *大会には記念碑を贈呈
受賞した三者のコメントをご紹介します。
第36回ランナーズ賞受賞者

「トップと市民が一緒に走る」を打ち出し、
現代の市民マラソンの礎を築いた
青梅マラソン(東京)
青梅マラソンは、日本の市民ランニング文化を象徴する大会だ。第1回大会が開催された1967年、一般市民が実業団選手らトップ競技者と同じレースを走れる形式は画期的で、「市民ランナー」という概念が社会に根づく契機となった。
大会は30kmという独自の距離設定と、青梅〜奥多摩の起伏あるコースが特徴。きつい部分がありながらも誰でも参加できる“開かれたレース”として全国からランナーを惹きつけてきた。沿道の温かい応援や地域の協力体制も、市民マラソンの理想形として長年評価されている。
箱根駅伝や五輪で活躍する選手が出場することで、市民ランナーがトップアスリートと同じ舞台を共有する文化を育み、ランニングの裾野拡大に大きく貢献した同大会。青梅マラソンは、日本の市民ランニングの歴史そのものを体現する存在として、今もなお多くのランナーにとって特別な大会であり続けている。
●受賞コメント
本大会は1967年に東京オリンピック銅メダリスト「円谷幸吉と走ろう」を合い言葉に市民マラソンの先駆けとして誕生し、半世紀以上にわたって歩んできました。今回の受賞は、その長い歴史の中で支え続けてくださった地域、ボランティア、各関係機関、そしてランナーの皆様のおかげであります。来年度には60回を迎える本大会が、この先も皆様に愛され続ける魅力ある大会となるよう邁進してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
(青梅マラソン財団代表理事 齊藤 寛)

小さな町の名物大会「みかた残酷マラソン」、
ランナーに寄り添う大会づくりを長年続ける
久保井洋次さん(兵庫・71歳)
久保井洋次氏は、兵庫県美方郡香美町小代区で「みかた残酷マラソン全国大会」を創設し、30年以上にわたり実行委員長として大会運営を担ってきた。大会は町民1500人ほどの過疎の町において24kmの1種目のみ、高低差400mのハードコースにも関わらず、全国各地から毎年3000人を超える参加者が集う。また、香美町村岡区で「村岡ダブルフルウルトラランニング」を立ち上げ、こちらも四半世紀以上継続する人気大会へと導いた。
自身も走歴37年のランナーで国内外148大会304レースに出場。47都道府県でフルマラソンを完走し、市民ランナーとしての経験を大会づくりに生かしている。ホノルルマラソンにもほぼ毎年参加し、国内外の大会文化を学びながら、参加者に寄り添う大会運営を一貫して実践してきた。
ランナー同士が交流できるコテージ「陽氣荘」を整備し、全国のランナーが練習会や合宿で集う拠点として提供するなど、地域とランナーを結ぶ活動にも力を注ぐ。
●受賞コメント
1992年、町からマラソン大会開催の依頼を受け、「百聞は一見にしかず」の思いで「第20回ホノルルマラソン」に参加しました。ゴール後の会場では、延々と喜びの笑顔と涙顔でゴールするランナーが途切れません。それを拍手で待ち続ける運営者たちの姿に感動しました。
「完走あってのマラソン!」「我が町でも感動を!」
これからも参加者全員をゴールで待ち、ひとりひとりの感動と喜びの瞬間を迎え続けたいと思います。
(みかた残酷マラソン全国大会実行委員長 久保井洋次)

救護技術と体制整備の両面で、
マラソン大会の安全確保を牽引
国士舘大学 防災・救急救助総合研究所(東京)
大学で学ぶ日本初の救急救命士養成コースとして、マラソンの救護活動等で多大な実績を残してきた。2004年にはAED法改正とともにイベントでのAED活用を訴え、現在多くのマラソン大会で導入されているモバイルAED隊やBLS隊の救護体制の基盤を築いた。
東京マラソンでは第1回(2007年)から現在まで救護業務を担い続けており、過去には心停止ランナーの命を救った事例も複数ある。その救護技術は高く評価され、安全体制のモデルケースとなっている。現在は年間約60件のスポーツイベント救護をサポートし、安心して開催できる大会づくりに寄与している。
研究所所長の田中秀治教授と、所属する喜熨斗(きのし)智也教授は日本の救急医療と救急救命士の教育を牽引する第一人者。学生は、スポーツ傷害の研究、安全な競技環境づくり、さらには防災教育など多角的な取り組みを通じて、実践的な知識と技術を身につけている。
●受賞コメント
第36回ランナーズ賞という栄誉ある賞をいただき、光栄に存じます。国士舘大学では、20年以上にわたり市民マラソン大会をはじめとするスポーツイベントの救護活動に取り組んでまいりました。今回の受賞は、救急救命士や学生をはじめ、多くの関係者の努力の積み重ねによるものです。
今後も、すべてのランナーが安心して挑戦できる救護体制の構築と普及に努めてまいります。
(国士舘大学 防災・救急救助総合研究所所長 田中秀治)
