1995年 第8回ランナーズ賞受賞者
久保田競さん
1932年6月生まれ。長年にわたり京都大学霊長類研究所所長を務め、脳の研究に従事した大脳生理学の大家。47歳で始めたランニングの経験を生かし、ランニングが脳に与える影響を、著書「ランニングと脳」(朝倉出版)で分かりやすく説いた。大脳生理学の視点から走る魅力を伝えたこの本は世界でも類を見ない。特にランナーズ・ハイ(ランニング中の陶酔状態)についての考察は画期的なものであった。愛知県犬山市在住。
星野敦志さん
1926年3月生まれ。ランナーズ賞受賞者では初のジャーナリスト。読売新聞記者として陸上競技を長く担当するとともに、東京五輪後に始めた連載「ライフ・タイム・スポーツ」では市民健康スポーツの大切さを唱え、これは後のジョギング・ブームにもつながるものでもあった。記者としての活動以外にも日本陸連報道委員として国内外の記録に関する業務を一手に引き受けてきた。91年東京世界陸上では日本人初のプレスチーフを務めた。現在、国際陸上競技連盟報道委員。
日本医師ジョガーズ連盟
1983年、全国の走るドクターを集めて発足「おそいあなたが主役です」を連盟のスローガンとし、会員による共著「遅いあなたが主役です」「安全に医者も走っている」(ともにリヨン社)の出版、会員一人ひとりが被験者となっての研究「持久性運動が健康と寿命に与える影響の研究」を行っている。また赤十字ゼッケンをつけてレースに参加し、市民ランナーに健康ランニングを呼びかけるなど、走る医師としての活動は様々だ。
(写真=事務局長・萩原隆氏)
神奈川県走友会連盟
名称通り走友会が県単位で結束、ランニングの普及・発展活動をしている全国にも少ないユニークな団体だ。1980年4月、走友会間の交流や研修とともにフルマラソンを横浜で開催しようという夢を抱いて設立された。以来、神奈川県内で多くのランニング大会やジョギングセミナー、救急セミナーなどを開催。これらを通して県内のランニング、ジョギングの発展、普及に大きく影響を及ぼしてきた。大会開催に当たっては公費はゼロ。参加費と協力企業からの援助で運営しているのも特徴だ。
ホノルルマラソン
1973年、心臓病患者のリハビリと予防にという目的で、心臓外科医のスキャフ博士らの手によって第1回大会が開催される。時間制限がなくゆったりした気分で走れること、大会を運営するボランティアのサービスがアロハ精神にのっとったとても温かいものであること、速い人だけでなく遅くとも平等に完走者が称えられることなどが人気を呼び、テレビ放映されるようになると日本人参加者が急増。95年には、参加者総数(約3万人)のうちの3分の2を日本人が占めるまでになった。